平成28年鬼怒川サケ資源有効利用調査結果



去る平成28年11月12日(土)・13(日)に「鬼怒川サケ資源有効利用調査」を行いました。
以下調査概要と結果です。

調査概要(抜粋)

●調査の目的:
 栃木県内に遡上したサケは、かつて県民の重要なタンパク源となっていましたが、食用としての利用の減少とともに県民とサケの関わりが希薄にありつつあります。
 現在、サケとの関わりは、増養殖目的のため特定の従事者以外は関わりをもつことはできないが、一方では産卵のために帰ってくるサケに、豊かな自然のシンボルとして多くの人々が魅力を感じている。
 そのため、サケの魅力を最大限に活用し、河川環境保全の普及啓発や交流人口増大による地域振興、また、サケ親魚採捕方法の高度化に向けた検討を行うため、採捕調査を行い、所用のデータを収集することを目的とする。
 当面は、ルアー・フライ・及び餌釣りでサケの採捕が可能かどうかを中心に試行的な調査を行う。
 
●調査日程: @平成27年11月12日(土) 8:30〜14:00 
         A平成27年11月13日(日) 8:30〜14:00

●調査場所: 鬼怒川 田川放水路合流から下流700mの区間

●対象魚種: シロサケ

●調査方法: ・ ルアーフィッシング、フライフィッシング及び餌釣り(すべてシングルフック)
         ・ 竿は一人一本とする。ただし、予備の竿の持ち込みは認める
         ・ 調査従事者はゼッケンを着用していただきます。
         ・ 釣れたサケの体長、体重、釣獲時間、雌雄の別、成熟・未熟の別について釣上げた時点で測定

●漁獲尾数: 調査従事者1名につき3尾までとする。

●応募資格(調査従事者): 鮭鱒協会の増殖用さけ特別採捕従事者を除き、調査従事者として諸規則、釣りマナーを遵守する中学生以上の方(中学生の方は保護者同伴が必要)

●施設利用料: 一人一日5,000円 中学生は1,000円


調査結果

●調査日・調査人数
 平成28年11月12日(土) 8:30〜14:00 曇のち晴れ  調査人数:62名(ルアー37名、フライ17名、餌8名)
 平成28年11月13日(日) 8:30〜14:00 晴れ      調査人数:59名(ルアー29名、フライ21名、餌9名)

●釣獲尾数:
 12日・・・15尾(最小体長62p・1.7kg、最大体長78p・4.6kg 平均71p・2.9kg オス7尾・メス8尾)
 13日・・・23尾(最小体長61p・1.4kg、最大体長82p・4.6kg 平均72p・2.9kg オス13尾・メス10尾)
 合計・・・38尾(最小体長61p・1.4kg、最大体長82p・4.6kg 平均72p・2.9kg オス20尾53%・メス18尾47%)

・釣獲尾数の内訳 両日合計38尾中、50p台は0尾、60p台は11尾(オス4尾、メス7尾)、70p台は26尾(オス15尾、メス11尾)、80p台は1尾(オス1尾)となりました。70p台が26尾となり、半数以上(71%)が70p以上となりました。80pを超える大物は、82p・オス・4.6kgでした。

・各大きさの平均体重は、60p台が2.0kg、70p台が3.0kg、80p台が4.6kgとなりました。比例して大きくなることが分かりました。

・オスとメスの割合はオス20尾53%、メス18尾47%となりました。

・時間帯別の釣獲尾数は、だいたい平均的に釣れていました。※12時代は昼食で休憩する方が多いため少し少ないようです。

・過熟と未熟の割合は、100%過熟となりました。河口からの距離が遠いので、当組合の管轄内では過熟魚が圧倒的に多いと理解できます。

・昨年と今年の平均体長と平均体重を比較してみましたが、昨年平成27年は70p2.7kg、今年平成28年は72p2.9kgとなりました。

・釣獲38尾中の釣り方別割合は、ルアー17尾45%、フライ9尾24%、エサ釣り12尾31%となり、ルアーが約半数を占め一番釣れていました。

・年別釣獲尾数は昨年は169尾と大漁でしたが、今年は38尾と4分の1以下となりました。






※8時台は30分間の釣果








※2014年(H26年)の調査日は1日間

●両日ともに天候には恵まれ、日中は防寒服ではとても暑い日となりました。昨年は遡上が多く、目視でもかなりの数のサケが確認できましたが、今年はあまり遡上が見られませんでしたので、ほとんどの方が残念ながらサケを手にすることが出来なかったようです。

 遡上が少ない分、サケの平均体長・体重はやや数値が上がりました。特に、昨年50p代のサケは4尾釣れていますが、今年は50p代のサケは1尾も釣れていませんでした。昨年は87%が過熟でしたが、今年は100%過熟でした。特にメスはお腹が空っぽで卵が入っていない状態がほとんどでした。来年はどんな結果になるのかが楽しみです。

 今年は、お昼に焼きそばとモツ煮を皆さんに振舞いました。皆さん美味しいと喜んでいただけたようです。

2015年(平成27年度)サケ資源有効利用調査

スナップ映像


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